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フリースタイル【ラップのコツ】初心者必見!即興ラップのやり方

投稿日:2017年11月30日 更新日:

 

現在、高校生ラップ選手権やフリースタイルダンジョンの爆発的な人気でブームになっているラップバトル。

初めてみる時は「アドリブで次から次へと言葉が浮かぶのはすごいなぁ」と感じたと思いますが、天性の才能が必要な部分もある反面、ほとんどのラッパーがプロレベルになるまで練習しているんです。

今回は、都心でライブなどの活躍しているラッパーのKさん(本人希望により非公開)のアドバイスの元、フリースタイルラップのコツなどを教えていただきましたので、ご覧ください。


フリースタイルラップとは?

まずはフリースタイルラップ、つまり即興ラップとは何かを理解しましょう。

 

HIP HOPと呼ばれる1970年にアメリカで生まれた音楽に、歌詞付きの歌をくわえたのが始まりで、その歌にあたる部分がラップと呼ばれます。

当時のオールドスクールと呼ばれるHIP HOPと、現在(1990年以降)のニュースクールと呼ばれるHIP HOPでは、随分とイメージが異なりますが、基本的には「リズム(ビート)に合わせて伝えたいことを歌う」というのがラップの本質になります。

 

 

フリースタイルラップとは、その場面で伝えたいことを即興で頭に浮かんだフレーズでラップすること。

なかなか難しいようですが、ここではフリースタイルのコツを説明します。

 

 

フリースタイルラップを理解するにあたって、まず知っておきたい用語集

HIP HOP文化から派生したラップですが、アメリカの黒人が白人に対するメッセージを非暴力的な方法で伝えるために、いろいろな言葉が生まれました。

日本にヒップホップ文化でもその言葉(スラング)は継承されていて、よく使われていますね。

 

一部ですが、抑えておきたいヒップホップ用語をまとめてみました。

【a.k.a. 】エーケーエー  →also known asの略。~としても知られる。 別名~。

【airhead】エアヘッド →バカ

【b-boy】ビーボーイ →ヒップホップを好きな人

beat】ビート →リズム

beef】ビーフ →悪口を言う、言い合う

【betty】ベティ →魅力的な女性

【bitch】ビッチ →あばずれ

【BPM】ビーピーエム →曲のスピード

【bro】ブロ →ブラザー

【bull shit】ブルシット →くそったれ

【chicken】チキン →弱虫、臆病者

【copy cat】コピーキャット →ミーハー

【crew】クルー →地元の仲間

【def】デフ →イケてる

dis】ディス →ディする。disrespectの略

【dograce】ドッグレース →悪い者同士の勝負

【dope】ドープ →カッコいい

【flow】フロウ →ラップの節回し、歌い方、リズムの取り方

【heads】ヘッズ →ヒップホップ好きな同志

【homie】ホーミー →地元の連中

【hustler】ハスラー →ストリート育ちの人

【ill】イル →キレてる

【kick it】キックイット(キッキッ) →その場を去る

【kick your ass】キックユアアス →尻蹴ってやる!

【kiss my black ass】キスマイブラックアス →くそくらえ

lyric】リリック →歌詞

【mc】エムシー →microphone controllerつまりラッパーのこと

【my men】マイメン →仲間

【nuts】ナッツ →変人

【posse】ポッセ →志を一つにした仲間

【prop】プロップ →正当な評価

represent】 リプレゼント(レペゼン) →代表している

respect】リスペクト →尊敬する

rhyme】ライム →韻、韻を踏むこと

【r.i.p】レストインピース →rest in peaceつまり、安らかに眠れ

【sampling】サンプリング →他のラッパーの音源を素材として利用すること。

【shut a fucker up】シャッタファッカ →黙れ

【sucker】サッカー →下手な、ダサい

verse】ヴァース →ラップを担当する部分

vibes】ヴァイブス →vibrations。雰囲気。

wack】ワック →下手な、ダサい

【wannabe】ワナビー →気取っていること

少しだけピックアップしたのですが、多くなってしまいました。

でも、これだけ覚えていれば、本格的なラップを始めるには不足はないでしょう。

特に赤の文字のワードは、フリースタイルを説明するときに必要な言葉になりますので、覚えてくださいね。

 

 

フリースタイルをやるにあたって、これらの用語を知っておかなくてはいけないというわけではありませんが、日本のヒップホップシーンで頻繁に登場するワードです。

 

これらの用語を知らなくてももちろん、ラップはできます。

 

では、即興でラップをやるにに絶対必要な2つのワードを紹介します。

 



 

ライム(韻)

ライムとは韻のことです。

韻とはラップをするにあたって、小節の末尾などで母音を合わせることになります。

 

例えば、Dragon AshとZeebraの楽曲で有名なこのシーン

俺は東京生まれHIP HOP育ち 悪そうな奴大体友達悪そうな奴と大体同じ 裏の道歩き見てきたこの街

育ち、友達、同じ、の道、この街

で韻を踏んでいるんですね。(「い」の母音)

 

そして良く読むと、

 

東京(とうきょう)、HOP(ホップ)、そうな、友達(ともだち)、そうな、同じ(おなじ)、裏の(うらの)、この

というように、と→ほ→そ→と→そ→お→の→こ

の「お」の母音で踏んでいることも分かりますね。

 

頭で踏む頭韻(とういん)と最後の文字で踏む脚韻(きゃくいん)というのがあり、このワンフレーズは頭韻も脚韻も使っているから、今でも耳の残るフレーズになっているのです。

 

フリースタイルではこのライム(韻)というのが重要視され、長い文字で、さらにいかに多く韻を踏むかが大切。

踏めば踏むほど、聞き手は盛り上がるので、バトルとなると最も重要と思われるのがこのライムとなります。

 

 

フロー

フローとは簡単に言えば「歌い方」のことです。

ある程度の音程をとって、ビートとは別な部分で歌い方をつけることでフローを作ることができます。

 

ただ韻を踏んでいるだけでラップをしていては、喋っているだけになります。

 

フローの達人である鎮座dopenessなどの動画をYoutubeで観ればわかりやすいかも。

 

フローは最も個性が出る部分にもなります。

有名どころで言えばケツメイシ。

ケツメイシは3人のMCがいますが、それぞれフローが違うのでひとつの曲のクオリティというか、完成度が高く感じますよね。

ちなみに、僕の好きな太蔵のフローはレゲェ調のフローです。

 

フリースタイルはレゲエもヒップホップも関係ありません。

レゲエ調のフリースタイラーも多くいますからね。

 

 

 

フリースタイルはこのライムとフローさえできれば、誰でも出来ちゃうんです。

それが難しいんですが。

 



 

ライム(韻)の踏み方のコツ

フリースタイルのコツで最も重要と思われているのが、これ。

 

ライムをいかに踏みまくるか。

リリック(歌詞)の矛盾点が無く、いかに自然に韻を踏むか。

 

これが重要になります。

 

最初にコツを言うとするならば、「常に母音をイメージする」というところにあるでしょう。

 

例を挙げて説明します。

 

「今日は雨だけど気分は上々」

 

このリリックの母音は、

 

「おおああえあえおいうんあおうおう」

 

です。

 

この長いリリックを踏むのは難しいので、「気分は上々」の部分となる「いうんあおうおう」

その母音でどんな言葉が浮かぶかを考えてみてください。

 

時間があればたくさん出ると思いますが・・・

「自分は長老」「因果応報」「死ぬんだ今日も」

ちょっと考えただけで出てきた言葉です。

 

これさえ浮かべば、綺麗なライムのラップが完成しちゃいます。

 

今日は雨だけど気分は上々
年上敬えよ自分が長老

悪いことはできない因果応報
でもお前はバイブス感じて死ぬんだ今日も

実際に即興で作ってみましたが、あんまり意味が良く分からないですね。。。

 

でも、ラップバトルってここまでしっかりライム踏めていれば、客も盛り上がるし、成立しちゃうんです。

 

ところで、フリースタイルバトルのモンスターとしても活躍した烈固がこういうライムの踏み方が凄いです。

一部をご紹介します。

俺はちょうどいいまるでこの場所で入れてるこの場所で本腰

まるでコオロギ もしくはコウモリ

夜行性 可能性 導き出してんぞ

この場に全くない妥協点

そう 読点 そう 合わせてる脳天

お前の延長 ていうか 4対1 そう骨折り損のくたびれ儲け

ラップしながら韻を踏む母音を変化させてライム踏みまくる。

 

これはプロの技ですけど、頭の回転が速ければ、ここまで凄い事が出来ちゃいます。

 

 

でも、これも母音をイメージしながらラップすることでできるようになると思います。

 

ラップしている間は常に母音をイメージすることが大切ということです。

 

母音ではなくて文字でイメージすると同音異義語もしくは、同音同義語になっちゃうので注意。

例えば、

 

奪ってやったぜ先制点。そして加点してるぜ経験点。俺が目指すところ100点満点。

「てん」という言葉をイメージしたばかりに、「点」という言葉でしか踏めなくなっちゃったパターン。
ラップにはなっているけど、この踏み方は幼稚なんですよね。

 

でも母音だけでイメージしたら、もっといいラップになるんです。

 

奪ってやったぜ先制点。スパっと喉元切り裂いて、わかるか?お前の勝利は永遠ねぇ。

こっちの方がパンチラインとしても相手に突き刺さるし、ラップとして盛り上がるでしょう。

 

とにかく母音だけをイメージして言葉を吐けばいいんです。

 


 

フローのコツ

フローにはコツが存在しません。

 

しかし、練習方法はあります。

 

たくさんのラップを聞くことです。

たくさんのラップを聞いたらたくさんのフローを頭の中に入れることができます。

 

たくさんのフローが見についたらビートを聞きながら「ラララ~」でもいいのでフローを奏でてください。

サンプリング(有名な楽曲と同じリリックやフローを用いること)になってもいいので、フローを使うことを意識する必要があります。

 

ここで、フローが素晴らしいバトルをご紹介します。

*Youtube

リリックができてなくてもここまでフローがしっかりしていると超いいラップになるんです。

鎮座に関してはほとんどライムはありません。

でも、凄いラップをしていますよね。

 

ニガリに関しては結構ライムを踏むタイプですが、このバトルではあまり踏んでいません。(「まだ二十歳、カタチ、裸足」の部分から「話」の部分までのライムは秀逸)

それでも高速ラップとフローで最高のラップを披露しました。

 

テレビの露出が少ないけど有名なこの二人のラッパー。
さすがのバトルですね。

 

 

 

ライムとフローができたら

ライムとフローができればもうラップはできるようになるはずです。

 

ですが、早いビートになると、どうしても言葉に詰まることがありますよね。

 

そんなときのために必要なのがネタです。

 

ネタはどんなラッパーでも持っています。

絶対にネタを用意しています。

 

ただ、MCバトルでネタに対してディスることがありますが、ネタばかりになるとディスられます。

 

でも100%すべてのラッパーがネタを持っていると言って間違いないです。

 

要はそのネタの引き出しがどれだけ多いか、シチュエーションにどれだけマッチしたネタを出せるかです。

 

ラップに詰まると良く出てくるワードがこちら↓

・わかるか?

・みたいな感じ

・ヘイヨーワンツーワンツー

など

これらのワードが出ないように、ある程度オリジナルのネタを用意している必要があります。

 

そのネタが多ければ多いほどいいのですが、スッと出てくるワードでなければならないので、ネタの用意も簡単じゃありませんが、参考になるかわからないですけど、使えそうなネタを列挙しておきますね。

 

「まだまだ終わらねぇ」

「そうだろ、俺もお前も」

「良く聞けよ」

「しらねぇ」

「聞いとけよ、リスペクト、しているぞ」

 

こんな感じですかね。

実はこういうネタって、1分くらいでできちゃいます。

 

フリースタイルをやる前に3個くらいネタを用意して頭の片隅に入れておけば、詰まったときに引き出せるので便利です。

ちなみに、どのラッパーもリリックを書くと言いますが、つまりはネタを作るってことなんですね。

 

 

 

結局はネタの多さがフリースタイルの良さを左右する

宮崎出身のラッパーGADOROがフリースタイルダンジョンに出演したときに、いとうせいこうに「GADOROは物凄い引き出しのネタを持っていて、瞬時に出すのが上手すぎる」と言われていました。

GADOROだけでなく、スナフキンなどもネタで勝負するタイプです。

 

しかし、彼らの場合は即興性が低いわけではありません。

そのときのバトルにあったネタを自在に出せるから凄いんですよね。

 

もちろんネタは多くなければ同じライミングばかりになってしまいますから、リリックをたくさん書いて頭に詰め込めなければならないんですよね。

 

 

誰でも上達するフリースタイルのアプリ

PARTYという日本の会社が開発したアプリ「SPAT」。

 

これは、オンラインでもBluetoothでもフリースタイルバトルが楽しめるというかなり優れた無料アプリです。

 

もちろん一人でもできます!

 

詳しくはこちらをどうぞ。

 

有名なフリースタイラーなども参戦しているので、本当に初心者でも凄く楽しめます!


以上、フリースタイルを始めるコツのまとめでした。

長くなりすぎたので、簡単にコツをつかみたい人は是非、SPATをダウンロードしてみてくださいね。完全無料なので。

 

 

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